白馬連峰の冬景色(杓子岳)

Research / データ分析

白馬の46冬
― データが示す降雪パターンの構造変化(1980〜2026)

白馬村周辺の降雪環境が過去46シーズンでどう変化したかを、気象庁アメダス実測・ERA5再解析データ・輪島ラジオゾンデ実測値・気象庁海面水温データの統合解析から定量的に検証した。降雪日数は46年で約12日減少し、累計降雪量は約12.6%減、最深積雪は約21%減と確認された。減少は気圧配置パターンに均等ではなく、南岸低気圧型に集中している。地上気温(白馬アメダス実測)は46年で+1.17°C上昇し、850hPa気温(+0.7°C)を上回る規模の温暖化が下層大気で進行している。「気候変動が降雪のパターンではなく『温度』を変え、それが降雪の量・質・積雪構造の安定性を同時に変えている」という構造が、複数の独立データソースから収束する形で浮かび上がる。

2026年5月(r3改訂版)| 一般社団法人アルプス雪崩研究所
データ出典:気象庁アメダス(白馬)/ ERA5(ECMWF)/ NOAA IGRA v2.2 / 気象庁「海洋の健康診断表」 | 対象:白馬地点(アメダス:36.6917°N, 137.8617°E、標高約710m。ERA5:36.75°N, 137.75°E、標高720m)/ 1980年12月〜2026年3月(46シーズン、冬期12月〜3月)
なお、2020年代の値は2020/2021〜2025/2026の6シーズン平均であり、他年代の10シーズン平均とはサンプル数が異なる。

46シーズンで12日減 ― まず全体を俯瞰する

白馬地点における冬期(12月1日〜3月31日)の降雪日数を46シーズン分集計したところ、1シーズン平均で1980年代の82.6日から2020年代の70.2日へと、約12日減少していた。10年あたり約2.0日のペースで減少が続いている。

シーズンごとの変動は大きい。最も多かったのは2000/2001シーズンと1985/1986シーズンの95日、最も少なかったのは2020/2021シーズンの65日と2022/2023シーズンの67日。直近5シーズンはいずれも70日台以下で推移しており、低位での定着が見られる。

図1:冬期降雪日数の46年推移(白馬、ERA5)。1シーズンあたりの合計と3パターン別の積み上げ。
年代冬期降雪日数1980年代との差
1980年代82.6日基準
1990年代77.1日-5.5日
2000年代81.3日-1.3日
2010年代80.0日-2.6日
2020年代70.2日-12.4日

降雪日を強度で分類すると、減少の内訳に偏りが見える。1〜3cmの「弱い降雪」が1980年代の28.3日から2020年代の19.0日へと9.3日減少した一方、10cm以上の「強い降雪」はむしろ微増している。降雪日数の総減少12.4日のうち、9.3日が弱い降雪の消失で説明できる。弱いイベントが選択的に消えているという構造である。


累計降雪量と最深積雪も着実に減少 ― 白馬アメダス実測

降雪日数の変化を量の側面からも裏付けるため、気象庁アメダス(白馬観測点、標高約710m)の実測値を集計した。冬期(12月〜3月、4ヶ月)の累計降雪量と最深積雪を年代別に整理する。

年代累計降雪量最深積雪冬期平均気温
1980年代568cm93cm-1.52°C
1990年代658cm109cm-1.09°C
2000年代668cm109cm-1.03°C
2010年代537cm83cm-0.91°C
2020年代497cm73cm-0.35°C

1980年代→2020年代の変化は、累計降雪量が568cm→497cmと約71cm(-12.6%)、最深積雪が93cm→73cmと約19cm(-21.0%)。線形回帰によるトレンドは、累計降雪量が-31.3cm/10年、最深積雪が-7.9cm/10年。降雪日数の減少(年代平均で-12.4日)に対応する量的減少が、アメダス実測値からも一貫して確認できた。

注目すべきは、累計降雪量の減少率(-12.6%)よりも、最深積雪の減少率(-21.0%)の方が大きいことである。「降った雪が積もり続ける」割合が下がっている、つまり融雪が早まっているか、降雪自体が積もりにくい性質(含水率の高い湿雪)に変わっているか、両方の影響が考えられる。この点は後の「氷板の形成機会」の章で再び論じる。

1990年代・2000年代をピーク(658〜668cm)として、2010年代に537cm、2020年代に497cmへと階段的に低下しており、近年の減少が単なる変動ではなく構造的なシフトであることが読み取れる。


減ったのは「冬型」より「南岸低気圧」 ― 構成比に表れた偏り

白馬で雪が降る気圧配置は、大きく3つに分類できる。日本海側で雪を降らせる「西高東低型(冬型)」、太平洋側を低気圧が東進する「南岸低気圧型」、そしてそれ以外の「低気圧型」(日本海低気圧、二つ玉低気圧など)である。

分類のロジックは、輪島・銚子・潮岬の3地点の海面気圧と、白馬の卓越風向の組み合わせにより自動判定した(詳細は末尾「データについて」を参照)。3パターンを年代別に集計した結果が以下である。

年代西高東低型南岸低気圧型低気圧型合計
1980年代60.4日15.3日6.9日82.6日
1990年代58.5日12.3日6.3日77.1日
2000年代59.5日15.4日6.4日81.3日
2010年代59.3日14.2日6.5日80.0日
2020年代53.7日9.7日6.8日70.2日

注目すべきは、減少が3パターンに均等に分布していないことである。西高東低型は11%減、南岸低気圧型は37%減、低気圧型はほぼ横ばい(-1%)。全体降雪日数12.4日の減少のうち、約45%が南岸低気圧型の減少分で説明できる。

一方、構成比そのものは大きく動いていない。西高東低型は46年間で73〜77%とほぼ一定。気圧配置のパターン構成が大きく入れ替わったわけではなく、特定のパターンが選択的に減少している、という構造である。

図2:3パターン別の年代別降雪日数。西高東低型の漸減と、南岸低気圧型の急減が対照的。

5回中1回が、5回中2回に ― 雪が雨に変わるという現象

南岸低気圧型の降雪日が大きく減った原因は、2つに分けて考える必要がある。第一に、南岸低気圧という気圧配置自体が来る日数が減ったという可能性。第二に、気圧配置は来ているが、気温が高くて雪ではなく雨になったという可能性である。

これを区別するため、「南岸低気圧の気圧配置で降水(雪または雨)があった日」をすべて抽出し、そのうち雪と雨の比率変化を解析した。気温が0°C以上で「降水あり」だった日は雨、0°C未満で「降水あり」だった日は雪と判定した。

年代降水日→雪→雨雪になった割合
1980年代19.3日15.3日4.0日79.3%
1990年代16.3日12.2日4.1日74.8%
2000年代17.7日14.6日3.1日82.5%
2010年代18.3日13.7日4.6日74.9%
2020年代15.3日9.2日6.2日59.8%

1980年代、南岸低気圧パターンで降水があった日のうち、雨として降っていたのは約2割。2020年代は、その割合が約4割まで増えている。5回降れば1回だった雨が、5回中2回に変わったということになる。

降雪日減少6.1日(15.3日 → 9.2日)の内訳を分解すると、気圧配置自体が来る日数の減少が約4日、気圧配置は来たが雨に変わった分が約2日。両方が同時に起きているが、特に注目すべきは後者の「雨転換比率」が約20%から約40%へと倍増していることである。気圧配置は来ているのに雨で降る日が、構造的に増えている。

図3:南岸低気圧パターン降水日の年代別内訳。雪と雨の比率が2020年代に明確に変化している。

上空の寒気と、下層と海面の温暖化 ― 高度別気温の構造

なぜ南岸低気圧型から先に「雪→雨」の転換が進むのか。この問いに答えるには、降雪時の高度別気温の変化を見る必要がある。

本調査では、1980年から継続的に観測されている輪島ラジオゾンデ(NOAA IGRA v2.2、観測点ID JAM00047600)の実測値を用いた。気球を飛ばして直接観測された値であり、モデルの推定ではない。2024年1月の能登半島地震で輪島の観測が中断したため、2024/2025シーズン以降は松江ラジオゾンデ(JAM00047741)で補完している(両者の相関 r=0.913、バイアス補正-1.81°C適用)。地上気温は気象庁アメダス(白馬観測点)の実測値を採用している。

高度データソース1980年代2020年代変化
500hPa(上空5,500m)輪島ラジオゾンデ実測-27.2°C-26.9°C+0.2°C
850hPa(上空1,500m)輪島ラジオゾンデ実測-5.6°C-4.9°C+0.7°C
地上(白馬村、標高約710m)気象庁アメダス実測-1.52°C-0.35°C+1.17°C
日本海中部 海面水温気象庁6.1°C8.4°C+2.28°C
図4:高度別気温変化(1980年代→2020年代)。低い高度ほど温暖化幅が大きく、日本海海面が最も急速に暖まっている。

上空5,500mの気温水準は、46年でほぼ変化していない(+0.2°C)。 少なくとも、降雪時に観測された500hPa気温の水準だけを見る限り、上空寒気の温度そのものが大きく弱まったとは言いにくい。

ただし、これは「寒気が降りてくる機会も変わっていない」を意味しない。冬型の降雪日数は60.4日から53.7日へと約11%減少しており、寒気が白馬まで降りて降雪として現れる頻度は低下している可能性が高い。気圧配置は引き続き発生しているが、降雪イベントとして実現する頻度が下がっている、という違いである。

変化が顕著なのは下層と海面である。850hPaは+0.7°C、地上(白馬アメダス実測)は+1.17°C、そして日本海中部の冬期海面水温は、1980年代平均と2020年代平均の比較で+2.28°C高くなっている。ただし、海面水温には十年規模変動も重なるため、この値は線形トレンドそのものではなく、年代平均差として扱う。地上気温の温暖化幅(+1.17°C)が850hPa(+0.7°C)を上回り、さらに海面水温の年代平均差(+2.28°C)はその約2倍に達する。地表面付近と海面ほど急速に暖まっている、という構造が浮かび上がる。

南岸低気圧型は、もともと太平洋側の低気圧の暖気側で降る雪である。気温が0°Cをわずかに下回る環境で、ぎりぎり雪の形を保って降っているパターンといえる。下層が0.5〜0.7°C暖まれば、その「ぎりぎり」のラインを越えて雨に転じる日が増える。一方、冬型の雪は地上気温が-5°C前後で降っているため、同じ温暖化幅では雪のまま降り続ける。

本調査で観測された「南岸低気圧型から先に減少が進む」現象は、この高度別の温度構造の変化と整合的に説明できる。降雪パターンを変えているのは「寒気の強さ」だけではなく、「寒気が降雪イベントとして作用する頻度」と「下層・海面の温度環境」の両方である。


弱い降雪が消え、強い降雪は残った ― 極端化の検証

降雪強度の分布変化は、46年の変化のもう一つの側面を示している。日降雪量で4区分に分けて年代別に集計した。

年代弱(1-3cm)中(3-10cm)強(10-20cm)猛(20cm+)
1980年代28.3日46.7日7.3日0.3日
2020年代19.0日41.7日9.0日0.5日
変化-9.3日-5.0日+1.7日+0.2日

降雪日数の減少12.4日のうち、9.3日が「弱い降雪」の消失で説明できる。一方、10cm以上の「強い降雪」と20cm以上の「猛烈な降雪」は微増している。

これは、東北大学・気象研究所などが提示している「降雪の極端化」予測と整合する結果である。地球温暖化が進むと、気温境界に近い弱いイベントは雨に転換して消えるが、強い寒気を伴う大雪イベントは温暖化幅の影響を受けにくく、むしろ大気中の水蒸気量増加によって強化される傾向がある。

「雪の総量はそこまで減っていないが、雪の降り方が極端になっている」という現象が、白馬46年データでも明確に観測された。


JPCZと冬型は明確には弱まっていない ― 気圧配置パターンの相対的安定性

冬型の気圧配置そのものが弱体化しているのか、というもう一つの問いに対しても、データは明確な答えを示している。

JPCZ(日本海寒帯気団収束帯、Japan Sea Polar-airmass Convergence Zone)に伴う大量降雪を、「白馬地点で、輪島と銚子の海面気圧差(日平均)>5hPa、風向260〜320°、日降雪量>10cm」という条件で抽出して年代別に集計した。

年代JPCZ推定日数平均降雪量平均気圧差
1980年代2.8日13.2cm6.7hPa
1990年代4.8日13.2cm6.7hPa
2000年代3.3日12.8cm6.9hPa
2010年代3.4日13.2cm6.6hPa
2020年代4.8日14.0cm6.5hPa

JPCZ推定日数はむしろ増加傾向にあり、強い冬型の発生頻度も降雪量も衰えていない。降雪日の平均気圧差もほぼ変化がない。本調査で用いた気圧差・風向・降雪量の代理指標からは、強い冬型イベントの強度が明確に弱まった傾向は確認できなかった

この結果は、前章で示した「上空5,500mの気温水準は変わっていない」という事実と整合する。冬型を駆動する東西の気圧勾配と、その気圧勾配が運ぶ寒気の温度水準は、いずれも46年スケールでは大きく変化していない。

変化しているのは、その気圧配置が降雪として実現する頻度(冬型では絶対日数の減少、南岸低気圧では雨への転換)と、結果として地上に積もる雪の量・質・構造である。気圧配置と寒気というマクロな枠組みは維持されたまま、その下層で温度環境が静かに書き換わっている、というのがデータから読み取れる構造である。

JPCZ推定日数は、ERA5の地上風向と気圧差から間接的に推定した値であり、衛星画像解析による直接的なJPCZ検出とは一致しない可能性がある。本レポートでは「強い冬型イベントの代理指標」として用いている。直接的なJPCZ検出との突合せは今後の研究課題。

氷板の形成機会と積雪安定性 ― 量を超えた変化への懸念

南岸低気圧型の減少は、降雪量の減少にとどまらない可能性がある。積雪構造の安定性にも影響を及ぼし得ることが、雪崩研究の観点から重要な論点となる。

積雪内に形成される「氷板」は、典型的には次のプロセスで作られる。

第一に、西高東低型の冷たい雪が積もり、積雪層の基盤を形成する。第二に、その上に南岸低気圧型の暖かく湿った雪が重なる。第三に、暖かい雪が冷たい雪の上で部分的に融解する。第四に、夜間の冷却で融解水が再凍結し、薄い氷の層が形成される。

氷板は、それ自体が弱層と組み合わさってスラブ雪崩の滑り面となるリスクを持つ一方、不透水層となるため融雪水の浸透をブロックし、その下層の積雪のざらめ雪化(凍結融解変態)を抑制する方向に働く。氷板自体を融解させるには潜熱334J/gのエネルギーが必要なため、氷板の存在は積雪全体の融解速度を遅らせる方向にも働く。

南岸低気圧型の降雪が15.3日から9.7日へと減少したことは、この氷板形成の機会が構造的に減少していることを意味する。現場の観測者からは「近年、典型的な氷板を確認できる頻度が下がっている」という証言も得られており、データと現場感覚は同じ方向を指している。

氷板形成機会の減少が積雪に及ぼす影響として、以下の2点が考えられる。第一に、降雪量そのものの減少。第二に、氷板形成機会の喪失による、積雪全体の安定化メカニズムの弱体化である。これは降雪量(cm)という単一指標には現れない、しかし融雪期の挙動と雪崩リスクの双方に影響する変化である。

本章の仮説を間接的に支持する観測事実として、白馬アメダス実測値の年代別変化が挙げられる。1980年代→2020年代の比較で、累計降雪量は約12.6%減少しているのに対し、最深積雪は約21.0%減少している。降った雪が積もり続ける割合(最深積雪/累計降雪量)が下がっていることが、量的に示されている。氷板形成の喪失や融雪の早期化、含水率の高い湿雪の増加といった「雪質の変化」と整合的な観測結果である。

本章の議論は、氷板形成と積雪安定性の関係についての現場経験と既往研究を踏まえた仮説段階であり、46年データから直接定量化されたものではない。引き続き、現地での雪質観測(密度、含水率、層構造)と気圧配置の照合により、定量化を進める必要がある。

本調査の限界 ― 雪温データの欠落

本調査で得られた結論は、降雪日数と気温については複数の独立データソースから一貫して支持されるが、「雪質」と「積雪の持続性」については間接的な推論にとどまる。最大の制約は、積雪層内の雪温度を示す長期データが存在しないことである。

降雪量(cm)は「どれだけ降ったか」を測るが、「その雪が何度だったか」は測れない。同じ400cmの降雪でも、-5°Cの雪と-1°Cの雪では、その後の積雪構造の発達と融雪挙動が大きく異なる。雪温が高い雪は、降った瞬間から融解が始まり、結晶の焼結や層構造の形成に影響を及ぼす。

海面水温が+2.28°C、850hPa気温が+0.7°C、地上気温が+1.17°C上昇している事実から、積雪層内の雪温度も上昇していると推測されるが、過去の雪温を直接示す観測データは存在しないため、46年スケールでの定量化はできない。


これから ― 白馬の外で同じことが起きているのか

本調査で示された構造――「気圧配置パターンは大きく変わらないが、温度の変化が降雪の量と質を書き換えている」――が、白馬以外の地域でも同様に進行しているのかは、本調査では検証できていない。

緯度・地形・主要な降雪パターンの構成比が異なる地域では、同じ温度上昇に対して異なる応答を示す可能性がある。たとえば北海道のニセコ(42.9°N, 140.7°E)は、白馬よりも高緯度で寒気の余裕度が大きく、冬型主体の降雪パターンを持つ。下層大気が同程度に温暖化しても、白馬とは異なる時間スケールで降雪パターンの変化が現れる可能性がある。逆に、南岸低気圧型の影響を強く受ける本州中部の他地点では、白馬と同様か、より顕著な「雪→雨転換」が進行している可能性がある。

アルプス雪崩研究所では、本レポートの手法を他地域に展開し、降雪パターン変化の地域差と共通構造を明らかにしていく予定である。次の検証対象としてはニセコを想定している。データ取得・解析の整備を進め、第3号調査レポートとして「白馬とニセコの比較」を提示することを目指す。

気候変動の影響は、降雪のパターンとして劇的に表れるのではなく、各高度の温度プロファイルの静かな変化として、しかし確実に降雪の量・質・積雪構造の安定性に作用している。その作用が地域ごとにどう異なるかを把握することが、雪崩管理・水資源管理・スノースポーツ産業のいずれにとっても、適応策を立てる前提となる。


データについて

白馬地点について、1980/1981シーズンから2025/2026シーズンまでの46シーズン分のデータを統合解析した。冬期の定義は12月1日〜3月31日(4ヶ月)。

地上気温・累計降雪量・最深積雪は、気象庁アメダス(白馬観測点、36.6917°N, 137.8617°E、標高約710m)の月別実測値を使用した。原本CSVは気象庁「過去の気象データ・ダウンロード」より取得(SHA-256: 85044b8a6fdb7a7f374a54d994681ce62136d0f641e6f27f7f78ac7f0a32d751)。集計ルールは、累計降雪量=12月〜3月の月別「降雪量合計」の和、最深積雪=12月〜3月の月別「最深積雪」の最大値、冬期平均気温=12月〜3月の月別「気温日平均」の算術平均。

降雪日数・降雪パターン分類・風向風速・地上気圧は、欧州中期予報センター(ECMWF)が公開する再解析データセット「ERA5」(白馬グリッド点:36.75°N, 137.75°E、標高720m)をOpen-Meteo経由で取得した。降雪パターン分類のための海面気圧は、輪島(37.25°N, 137.00°E)・銚子(35.75°N, 140.75°E)・潮岬(33.50°N, 135.75°E)の3地点のERA5データを使用した。本調査では、絶対値が要求される量的指標(気温・降雪量・積雪深)にはアメダス実測を、気圧配置分類や格子代表値が必要な指標にはERA5を、と役割を分担している。

上空気温(850hPa、500hPa)は、米国海洋大気庁(NOAA)の Integrated Global Radiosonde Archive(IGRA v2.2)から取得した輪島ラジオゾンデ(観測点ID: JAM00047600)の実測値である。気球を飛ばして直接観測された値であり、モデルの推定ではない。2024年1月以降は能登半島地震の影響で松江(JAM00047741)データで補完した(相関 r=0.913、バイアス補正-1.81°C適用)。輪島・松江の補完係数は、両地点で観測が重なる期間の冬期データを用いて算出した。比較対象は850hPaおよび500hPaの気温であり、松江値には輪島との差分に基づくバイアス補正を適用した。

日本海海面水温は、気象庁「海洋の健康診断表」より、日本海中部(NIHONKAI_M)の冬期偏差データを使用した(平年値Winter: 7.00°C、長期トレンド+2.64°C/100年)。

降雪パターン分類のロジックは以下の通り。西高東低型:輪島の海面気圧が銚子より2hPa以上高く、白馬の卓越風向が西〜北西(200〜340°)の降雪日。南岸低気圧型:潮岬の海面気圧が前日比3hPa以上低下し、白馬の卓越風向が南〜南東(80〜210°)の降雪日。低気圧型:上記2パターンに該当しない降雪日。降雪日は日降雪量1cm以上を基準とした。「南岸低気圧パターンの降水日」の判定では、降雪・降雨を区別せず、上記の南岸低気圧の判定条件に該当した日のうち、降水量0.1mm以上を計上した(気温が0°C以上で「降水あり」だった日は雨、0°C未満で「降水あり」だった日は雪と判定)。